人間に自由意志はあるのか。
人生は、大きな何かによって
あらかじめ決められているのか？
それとも、自分で人生は変えられるのか？
人生には自分が知り得ない計画があり
その通りに進んでいるのだと思う一方で、
自分が人生を創るのだから
人生は自分の意志で変えられるのだと
考えている自分もいた。
「それぞれの生きる道は
天によって完璧に決められていて
それでいて完全に自由だ」
漫画「バガボンド」の中で、
私がとても好きな一節。
この言葉には真実が表されていると感じつつ
意味合いとしては完全な矛盾を孕むこの文章。
一体どういうことよ？
果たして、人間に自由意志はあるのだろうか。
その答えが自分の中で見出せたので
私の意見として記事にしてみる。
人間に自由意志はあるのか。
この質問に一言で答えるとするのなら、
「自由意志はないけど、ある」。
意味不明ですよね、すみません。
結局矛盾かよ。っていう。
あるのかないのかハッキリしてくれと
私自身散々思ってきたのでわかります。
でも、どうしたってこの表現になるんです。
なぜそうなるのか、私なりにお伝えするので
しばしお付き合いください。
人は、自分の「言動」を
自分で選んでると思っていますね。
自分がどんな言葉を発するか、
どんな行動をとるかで人生が変わると。
でも、実際はちがう。
言動の前に、思考があります。
思考とおなじく、感情があります。
その感情は、思考は、
どこから生まれてきましたか？
最初の始まりはどこでしょうか？
よく観察してみてください。
いきなりポッと湧いてきたはずです。
なにかのきっかけとなる出来事が
あったかもしれません。
でも、そのきっかけを通して
勝手にポッと湧いてきたはずなのです。
そこに自分の意志は介在していない。
よくよく自分の思考や感情を観察してみると、
「それを考えようとして考えた」
のではなくて、
「勝手に思考が浮かんできたから、
考え始めた」
ということに気づくはずです。
その感情を感じたいかどうかという
自分の意思に関係なく
勝手に感情が湧いてきたはずなのです。
考えるのをやめたいと思っても
なかなか思考は離れてくれませんし、
もうこの感情を味わいたくないと思っても
コントロールできないですよね。
このポッと湧いてくる仕組みについては
また別の機会でお伝えするとして、
でも、とにかく、
思考も感情も言動も、
自分の意思とは関係なく
勝手に起こっているんです。
「あなたが経験してきたすべての条件が寸分たがわずに完璧にそろって、それが起きたんです。気の遠くなるような複雑な要因がからみあって、それが起きたんです。」（金森将さん著「バタ足ノンデュアリティ」）
いくつかの選択肢がある中で、
迷って何かを決めたこともあるでしょう。
他の道を選べばよかったと
後悔したこともあるかもしれません。
でも、そうなるようになっていたんです。
いくつかの選択肢が自分の中で浮かび
迷い、複雑な感情が湧き上がりながら
決断を下し後悔する全てのプロセスが
そうなるようになっていたんです。
全て、あなたの責任ではありません。
意思とは何を指すのでしょうか。
意思とは、「こうしたい」という思考ですね。
ですが、思考も、感情も、言動も、
全てが勝手に起こっているんです。
私たちはそれをただ体験しています。
自分の意思なんてものは、
ほんとうは、初めからないんです。
じゃあ、やっぱり、
自由意志なんてものは、ないんじゃないか。
そうなのです。
人間に自由意志はありません。
でも、じゃあ、
人生は全て決まっていて、
いくら何かを変えようと思っても
何も変えられないということですか。
いいえ、それは違います。
たしかに、全てが起こるべくして
勝手に起こっています。
そこに人間の意志は介在していません。
ですが、この、
「全てが決まっている」と知った時、
あなたにはどんな思考が
湧いてくるでしょうか。
これまでの全てが
起こるべくして起こってきたのだとしたら、
これからも全てが
あるべきように起こるのだとしたら、
身を委ねてしまって大丈夫なのです。
好きに生きてしまえばいいのです。
「全てが決まっている」の裏側には
「だったら、好きに生きてしまえばいい」
という、大きな自由が隠されているんです。
人間に自由意志はありません。
でも同時に、完全な自由があります。
そういう意味で、
自由意志はないけど、あるのです。
なんて素晴らしいパラドックスなんでしょう。
この世界は、誰しもが
絶対にはみ出ることのできない
大きな愛の中にあるのでしょう。
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